子どもがいつでもどこでも学べるコミュニティづくり

神奈川県秦野市にある山谷自治会では、今年の8月に2週間、自治会内に住む小学生に声をかけ、自治会館での毎日の学習支援や見守り、また様々な体験学習や高齢者を含む大人との交流を通した活動づくり、サマー・クラスが企画されました。

活動に参加した子どもたちと一部その保護者は、自治会のボランティアと一緒にたのしく汗を流しながら、学びや交流を深めていたようです。

体験学習は、秦野市、企業、NPOが協力することで、参加した子どもたちはたのしく学ぶことができました。また子どもたちが、介護のボランティア活動や路線バスの安全運転など、活動や仕事に直接携わっている大人を近くに感じることで、リアルな社会が見えるように、その体験のし方にも工夫がなされていました。

山谷自治会との交流や聞き取り調査をはじめて、今年で2年目になります。これまで山谷自治会では、毎日の買い物が難しい高齢者の支援をすでに行っていましたが、今年の夏休みから小学校の長期休業期間中の共働き夫婦やシングルマザー・ファザーへの支援を開始しました。今後も高齢者と子どもたちとの世代間の関係づくりを軸に、子どもの見守りや学習支援などを積極的に行っていくということです。

山谷自治会は、緑が多く、豊かな自然に囲まれた住宅地が広がっています。このようなコミュニティで、子育て支援と子どもの幸せがひろがるコミュニティづくりを前へ進めたいという自治会のみなさんの真心が伝わってきました。

〔付録〕サマー・クラスを提案された会長の宇佐美さんのお話をおききして、学校のほかにも、子どもたちが自分自身で学習できる場を自由に選ぶことができるコミュニティをつくろうとしていることも、活動の目的であることが分かってきました。今年の夏に行われた秦野市山谷自治会の活動は、子どもがいつでもどこでも学ぶことができるコミュニティづくりのために、大人たちが一緒に汗をながす実践でした。生涯学習に自治会が貢献する少し進んだ実践モデルのように思われます。子どもたちは、学校という「囲い」を越えて、リアルな社会を見ながら、感じながら学ぶことができるこの活動がとてもたのしかったようで、次回開催を要望する子どもの声が自治会に届いているようです。